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リノベーション②-物件選びのポイント

リノベーションをやってみたい!

そう思った時にまずやらなければならないことの一つとして 「物件を見つけること」が挙げられます。

リノベーション用の物件を見つけるといっても、 どのようなところに気を付ければよいのか
わからない方がほとんどではないでしょうか。

筆者がリノベーションをするために購入したのは当時築40年近いマンション。
この物件に出会うまではなんと2年近い歳月がかかりました。

今回のコラムでは当時の経験を通してわかった リノベーションの物件選びのポイントについて、お伝えしたいと思います。

リノベーション、まず初めに

家が欲しいな、と思った時に考えること。
リノベーションの場合も、まずは次のようなことから考えていきましょう。

☑住みたいエリアを絞る
☑おおよその予算を決める(リノベーション費用や設計費を含めた総額)
☑面積や階数などの希望条件を決める
☑共用部の設備などの希望条件を決める

まずは、物件情報サイトで検索してみたり、 エリア内の不動産屋さんに相談してみたりしてください。

自分の希望条件どおりで予算内に納まるのか。
納まらないならばどの条件を緩めればよいのかなど段々とつかめてくると思います。

中古マンションとの出会いは本当にタイミング。
すぐに見つかるとは思わず、気長にじっくりと向き合ってください。

ところでリノベーションにかかる費用って??

新築マンションの時と違うのは 「リノベーション費用や設計費も含めた総額の予算を決める」ことです。
どちらかというと注文住宅に近いかもしれませんね。

リノベーション費用は「どの範囲を」「どのようにしたいか」によって大きく費用が変わります。

一般的には床面積1㎡あたり15万円~20万円ほどと言われています。
広さ60㎡の場合900万円~1200万円ですね。

これはスケルトンリノベーションという場合の費用。
スケルトンリノベーションとは、既存の内装をすべて解体し、 水廻りや壁の位置なども含めて新たに作り直してしまうリノベーションの手法です。

高額な設備や素材を採用すればもっと高くなる場合もありますが、 まずはこの程度のリノベーション費用と考えて物件に割ける予算をつかみましょう。

次に、物件探しと平行して早めに初めてほしいことがあります。

☑ どんな内装にリノベーションしたいか、イメージを集める
☑ 設計をだれにお願いするか考える、相談を始める

この二つはリノベーションの費用とも直結するので、なるべく早めに行動が大切。

設計をお願いする先は、リノベーション会社、建築家など様々な選択があります。
最近は気に入った事例をネットでみつけ、設計した人と繋がれるサービスも多いですよね。

自分の希望を叶えてくれそうな人や会社を積極的に探してみましょう。

気になる物件が見つかった!さっそく内覧に

条件に近い物件が見つかったら、複数内覧することをおすすめします。

中古マンションの場合、すでに建っている現物を見ることができます。
住民の方の雰囲気やマンションの管理状態を自分の目で確認することができるのです。

リノベーションで内装は自分好みに変えられるので、 変えられないものに目を光らせてくださいね。

特に気にかけてほしいのは次の点です。

☑周辺の環境
☑窓からの眺め
☑共用部の清掃状況や管理状況(廊下、ゴミ置き場、自転車置き場など)
☑マンションの住民とすれ違ったときに挨拶があるか

内覧の際は、設計者などに同行してもらいましょう。
ある程度やりたいことが決まっている場合、マンションの構造上それが実現可能か判断してもらえます。

また、それぞれのマンションには管理規約で「リフォーム規定」が定められていることが多いです。
リフォームする際のルールですね。
不動産屋さんにお願いすればマンションから取り寄せてくれると思います。

☑無垢フローリングやモルタル床にしたかったのにできなかった
☑水廻り(キッチン・トイレ・風呂)などの位置を希望通りに変えられなかった
☑天井の仕上げを取りたかったのにできなかった
☑壁を壊して広い部屋にしたかったのに、壊せない壁だった

これらはマンションの構造上や規約の問題で実際に起こりうる問題です。

購入してから「実はやりたいことができないマンションだった」ということにならないよう、 物件購入前にプロの助けを借りて判断することをおすすめします。

いい物件がみつかったのに、少し予算が・・・

いくつか内覧し、気に入った物件が見つかったとします。
しかしながら、物件の予算に数百万円オーバー。

よくある話だと思いますが、 リノベーションにかける費用を調整すれば、手が届くかもしれませんよ。

調整する方法の一つが「リノベーション範囲を縮小する」こと。

スケルトンリノベーションを考えていたけど、 まだまだ使える設備や内装がある場合、部分リノベーションという手があります。

基本的に工事をする範囲を絞れば予算は抑えられます。
特に水廻りを既存のまま、もしくは一部のリノベーションで利用すれば かなりの費用を節約することが可能です。

☑リビングやキッチンは大きく変えるけど、その他は仕上げを変えるだけ
☑ユニットバスは前に数年前にリフォームしたものらしいので再利用
☑トイレの便器だけはそのまま使い、ウォシュレットと内装だけ変える
☑キッチンは、水栓とコンロ、食洗器を交換し、扉はシートを貼って再利用しよう。
☑とりあえずこの部屋は今のまま使うけど、数年後にまた部分リノベーションしよう


予算を抑えられる様々な手があります。
設計者さんに相談しながら、やりたいことと希望の予算内に納まる落としどころを見つけていきましょう。

我が家の物件選びのポイント

実際に我が家がどのように今の物件と出会ったか、お伝えしたいと思います。

住みたいエリアを絞り、予算を決め、物件情報サイトを毎日のようにチェック。
物件自体の予算をかなり低めに考えていたので、当然築年数の古い物件ばかり見つかります。

我が家は築年数の古さはあまり気にしていませんでした。
むしろ似たような外観ばかりの新しいマンションよりも、 レトロで面白い外観のものが多いため魅力を感じていたくらいです。 いくつか予算内におさまる物件を見に行きましたが、 悪くないけど……なんか違う。という物件が多かったです。

まだ、自分が何の条件を最優先しているのかわかっていなかったのですよね。

1年以上探しているけど見つからない……
仕方がないので、数百万円予算オーバーですが、気になっていた物件を見に行ってみることにしました。

それが今のマンションとの出会いです。
部屋に入った瞬間、窓の外に広がる眺望に心奪われました。

「あ、ここしかないわ」と瞬時に思ったのを覚えています。

初回の内覧は一人で行ったのですが、 写真などで主人にもこの物件のすばらしさを伝え、今度は一緒に内覧にいくことに。

現物をみた主人も「間違いないね」という話になったので このマンションを購入することになりました。

私たちが最も求めていたものは「窓からの眺望」だったのです。

この物件の良い点は他にも。
それは「すれちがった住民の方がにこやかに挨拶をしてくれる」ということです。

オートロックのない物件・築年数の古い物件ではありましたが、 人によるセキュリティがきちんと働いているな、と思った記憶があります。

何よりも、マンション自体が住民の方に愛されているなと感じました。

そんな我が家のリノベーション費用は?

予算を数百万円オーバーした物件を購入することにした私たち。
オーバー分はリノベーションの工夫で取り返すしかありません。

我が家が購入したのは84㎡の3LDKマンション。
スケルトンリノベーションをしたのですが、 かかった費用は施主支給含めてなんと600万円でした。

一般的には床面積1㎡あたり15万円~20万円なので 84㎡だと1,260~1,680万円が相場。
工事をしたのは9年前だったので、今よりも工事費が低い時期でしたが、 それでも相場より2-3割は費用を抑えられたかなと思います。

どんな工夫をしたかはまた次のコラムで詳しくお伝えしたいと思います。

まとめ

中古マンションのリノベーションの物件選びのポイント…

☑ 内装はいくらでも変えられる、自分では変えられない点に注目して内覧
☑ 設計者や会社に同行してもらい、構造上や規則上の制約を確認
☑ 物件の予算が少しオーバーする場合は、リノベーション費用で調整

リノベーションに少しでも興味がある方!
事例を調べてみたり、物件情報を集めてみたりするところからぜひ始めてみてくださいね。

一級建築士/ライフオーガナイザー
kiko

一級建築士・ライフオーガナイザーの視点から
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