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リノベーション③-ビフォーアフター

筆者が住んでいるのは、築50年ほどのマンション。
築40年頃に購入し、スケルトンリノベーションしてあります。

リノベーションコラムも今回で最終回。
コラム①では「なぜリノベーションを選んだか」
コラム②では「物件選びのポイント」についてお伝えしてきました。

物件が決まったら、いよいよリノベーションの設計と工事が始まります。
ビフォーアフターの写真をたくさんお見せしながら 設計の時に考えたことや気づいたことをまとめてみたいと思います。

どんな家にしたい?



「こんな家に住みたい」
どなたも自分なりのイメージを持っているのではないでしょうか。

筆者は夫婦ともに建築士なのですが、リノベーションの設計は私が担当することに。
主人は「施主」。筆者は「施主兼設計者」という形になります。

2人で様々な事例写真やプランを見ながら話し合い、 自分たちが作りたい家の在り方がぼんやりと見えてきました。
それは次のようなもの。

☑広さを感じる家
☑フレキシブルな家
☑お金をかけすぎない

設計者さん等に伝えるときはこのようなざっくりとした言葉がおすすめです。

事例写真のイメージに縛られすぎると、どこかでみたことがあるような家になってしまいます。
設計者の能力を信じて、イメージの広がりやすい言葉で伝えれば、 想像以上の提案がきっとでてくることでしょう。

それ以外には、「どうしても使いたい材料」を決めました。

☑無垢フローリング
☑床のモルタル
☑コンクリートブロック
☑ペンキ

理想の材料が使えるかどうか、 特に床の仕上げについては、マンションの規約をよく確認する必要があります。
前のコラムでもお伝えしましたが、物件探しの段階からぜひ検討しておいてほしいポイントです。

どんなプランになったの?



プランをスケッチ、施主である主人にプレゼン、修正、別の案を出すという流れを何度も繰り返しました。

「広さを感じる家」「フレキシブルな家」そして「お金をかけすぎない」、
そのことから導きだされた答えは「作りすぎない」というものでした。



元々は84㎡・3LDK+納戸のファミリー向けマンションでしたが、 思い切ってワンルームにしてしまいました。
トイレとお風呂以外、扉がなくすべての空間がつながっています。

84㎡のワンルームマンションと聞くと・・結構びっくりしますよね。

ワンルームといっても、床の段差や腰までの低い壁、カーテン等を利用して 緩やかに仕切ることができる工夫を色々しています。

お金をかけすぎない工夫



建物の工事というのは、基本的に「単価×数量」の合算です。
コストを下げるためには、単価を下げるか、量を減らすかの方法しかありません。

具体的には次のような工夫が考えられます。

①造作収納や造作家具の数を減らす
②扉の数を減らす
③壁の数を減らす
④設備類を安価なものにする
⑤似たような見た目の材料なら、できる限り安いものを探す

①~③はまさに我が家で実践したものです。
プランでもよくわかりますね。
扉や壁の代わりにカーテンで仕切る、というのはコストを抑えるために有効な方法です。

④設備類を安価なものにするについて。
キッチン周りなら水栓・食洗器・コンロ・レンジフード。
お風呂廻りならお風呂・手洗いカウンター。
トイレ周りならトイレ、手洗い器
調べはじめるとわかると思いますが、 様々なメーカーが数えきれないほどの製品を販売していますよね。

1つあたりは数万円~数十万円の差ですが、 積み重ねであっというまに100万円の差額になったりします。

性能を求めるのか、見た目を求めるのか。
場所によってよく見極め、メリハリをつけることが大切です。

高い設備類を取り入れるよりも、照明や家具にお金をかけたほうが 家への満足度は高くなるかもしれません。
リノベーションの場合は、既存の設備をうまく再利用するという方法もありますので 設計者さんにもぜひ相談してみましょう。

⑤似たような見た目の材料なら、できる限り安いものを探す
最近はSNSなどで、おうちの写真を公開している方もいますよね。
好みの内装が見つかったら、どのメーカーの材料か聞いてみるのもよいと思います。
複数メーカーの製品を比較して決める人も多いので、 なぜその材料を選んだかなども教えてくれるかもしれません。

リノベーションしてどんな風に変わったの?

それでは次からは、築40年の家がリノベーションでどのように変わったか 写真でお伝えしたいともいます。

【工事前の写真】
購入時築40年ほどだった我が家。
前オーナーさんが別荘的に利用していた部屋だったため 竣工当時の内装のまま、きれいに使用されている状態でした。
ごく普通の内装のマンションという感じですよね。






ここから激変します。


【工事後の写真】

ほとんど造作物がないため、まだ工事途中のようですね。








【家具が入ってから】

ようやく家らしくなってきましたね。







まとめ

中古マンションのリノベーションで考えたいこと…

☑ どんな家にしたいか言葉で考える
☑ 使いたい材料を決める。特に床の材料に注意
☑ メリハリをつけてコストを抑える工夫を

リノベーションとっても楽しいですよ。
ぜひ検討してみてくださいね。

一級建築士/ライフオーガナイザー
kiko

一級建築士・ライフオーガナイザーの視点から
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